こんにちは!!
剣道ジャーナル編集長の酒田マードックです。
先日、剣友会の子供達が錬成会に引率してまいりました。今回初めて試合に出る子も多く、試合前は緊張でソワソワ、試合後は勝った負けたで泣いたり笑ったりと、とても賑やかな一日でした。
中には、反則を取られてしまって悔し涙を流す子もいました。
試合の場面では、勝敗のことばかりに意識が向けられがちですが、剣道には独特のルールや反則があり、これを知っておくことは選手にとって大切な学びです。
今回は、剣道の基本的なルールや試合の流れ、よくある反則について初心者にもわかりやすく解説していきます。
続きについてはこちらをご覧ください「【初心者向け】剣道のルールをわかりやすく解説〜基本・試合・反則まで〜②」
試合形式
個人戦、団体戦に関わらず剣道は基本試合場で一対一で試合をします。
一試合は基本三本勝負で、相手から二本の有効打突を先取した方が勝ちとなります。ただし、一方が一本を先取しそのまま試合時間が終了した場合「一本勝ち」として、一本先取した選手が勝利します。
試合時間内に勝負が決まらなかった場合(どちらも一本取れていないorどちらも一本づつ取っている)には延長戦もしくは引き分けとなります。
個人戦のトーナメントでは基本的に延長戦(時間無制限一本勝負)で勝負が決するまで実施します。団体戦の場合は大会にもよりますが基本的に引き分けとなります。
団体戦のルール
団体戦は基本的に3人以上で実施されます。よくあるのは、三人制、五人制、七人制となります。
三人制の場合 先鋒 中堅 大将
五人制の場合 先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
七人制の場合 先鋒 次鋒 五将 中堅 三将 副将 大将
基本的に中体連や高体連、実業団の試合は五人制の試合となります。大学の試合については七人制の試合が基本です。小学生や剣友会の試合では三人制になることも多いです。
全員が一対一で試合をし、最終的に勝ち数の多い方が勝ちとなります。勝ち数が同数の場合は取得本数が多い方が勝ちとなります。
試合時間について
団体戦、個人戦に関わらず一試合の時間が定められています。
一般の公式戦における試合時間については以下のとおりです
小学校低学年 2分
小学校高学年〜中学生 3分
高校生 4分
一般 5分
大会によって異なる場合があります。特に一般の方の試合では大きな大会以外で5分で実施されることは少ないです。
ちなみに全日本選手権においては、試合時間5分、準々決勝以降は10分となります。
禁止行為について
全日本剣道連盟の定める、「剣道・試合審判規則」によりますと禁止行為について以下の通り定められています。
第15条 禁止物質を使用もしくは所持し、または禁止方法を実施すること。
第16条 審判員または相手に対し、非礼な言動をすること。
第15条、第16条について違反した場合の罰則については第18条で以下のとおり定められています。
第18条 第15条、第16条の禁止行為を犯した者は、負けとし、相手に2本を与え、退場を命ずる。退場させられた者の既得本数、既得権は認めない。
また、諸々の禁止行為として以下のとおり定めれています。
第17条 試合者が、次の各号の行為をすること。
1 定められた以外の用具(不正用具)を使用する。
2 相手に足を掛けまたは払う。
3 相手を不当に場外に出す。
4 試合中に場外に出る。
5 自己の竹刀を落とす。
6 不当な中止要請をする。
7 その他、この規則に反する行為をする。
諸々の禁止行為に対する罰則も定められています。
第19条 第17条1号の禁止行為をした場合は、次の各号により処置する。ただし、両者同時になしたときは、両者とも負けとし、それぞれの既得本数および既得権を認めない。
1 不正用具の使用者は、負けとし、相手に2本を与え、既得本数および既得権を認めない。
2 前号の処置は、不正用具使用発見以前の試合までさかのぼらない。
3 不正用具の使用が発見された者は、その後の試合を継続することができない。ただし、団体戦における補欠の出場は、別に定めのない限り認める。第20条 試合者が第17条2号ないし7号の行為をした場合は、反則とし、2回犯した場合は、相手に1本を与える。反則は、1試合を通じて積算する。ただし、同時反則によって両者が負けになる場合は相殺し、反則としない。
第17条4号の場合、両者が相前後して、場外に出たときは、先に出た者のみ反則とする。
第17条4号の場合、有効打突を取り消したときは、反則としない。
第17条5号の場合、その直後に相手が打突を加え、有効となったときは、反則としない。
不正用具についてよくあるのは、「大会前の竹刀点検」を通過していない竹刀を使用してみなされることが多いです。防具については一般的に売られているもので不正用具としてみなされることはないんじゃないかなと思います。
よくある反則としては「場外反則」「竹刀落とし反則」の二つが多いかなと思います。
まとめ
今回は、試合形式と反則についてお話ししてまいりました。特に反則については試合の展開を大きく左右するものになってくるのでできる限りしないように心がけましょう。
編集後記
僕は、どちらかというと反則を取られることが少ない方だと思います。しかしながら印象に残ったというか悔しい思いをした反則が一つだけあります。
高校生の頃、ある大会の団体戦で勝数、本数が同数で代表戦が実施されることとなりました。その日、中堅として出ていたのですがめちゃくちゃ調子が良く全試合で勝てていたのもあり、代表戦に選ばれて試合することになりました。
試合時間も長くなり、お互い鍔迫り合いで反則を取られていた状態でじっくりどこが打てるかを狙っていました。しかし、体力の限界も近く突いた瞬間に竹刀が手から離れてしまい反則を取られて負けてしまいました。
まあ、あるあるなのかもしれませんが私の中ではかなりショックな出来事だったのでいまだに鮮明に覚えています。
皆さんもそんなことがないように竹刀はしっかり握ってみましょう。
文・酒田マードック
コメント