剣道の昇段審査って?【初心者にもわかる基本の仕組みと流れを解説!】

初心者向け

こんにちは!

剣道ジャーナルの酒田です。

今回は、剣道を始めたばかりの方、これからお子さんに剣道を習わせたいと考えている保護者の方に「昇段審査ってそもそも何なの?」というテーマをわかりやすく解説します。

剣道には「段位」という制度があり、審査を受けることによって昇段していきます。

でも、剣道を始めたばかりだと「初段って何?」「どこで受けるの?」「どうやって上がっていくの?」といった疑問が出てきますよね。

この記事では、剣道の昇段審査の基本的な仕組みや、各段位の目安、審査当日の流れまで、初めてでもイメージしやすいようにやさしく解説していきます。

そもそも段位って???

段位の正式名称

剣道の段位には正式名称があることをご存知でしょうか?

例えば初段であれば、「全日本剣道連盟初段」が正式名称です。(履歴書の資格欄に書くときはそのように記載してください)

つまりは、「全日本剣道連盟があなたを初段として認めますよ」って意味合いなんですね。

実は選日本剣道連盟のほかにも、剣道を統括している団体は存在しており独自の段位を制定していることがありますが、一般的に「剣道〇段」といえば全日本剣道連盟の段位のことを指します。(たしか警察の入試で評価されるのも「全日本剣道連盟の段位」のみのはず・・・)

段位の基準

全日本剣道連盟の「剣道称号・段位規則」には付与基準について以下の通り規定されています。

 段位は、初段ないし八段とし、それぞれ次の各号の基準に該当する者に与えられる。
1.初段は、剣道の基本を修習し、技倆良なる者
2.二段は、剣道の基本を修得し、技倆良好なる者
3.三段は、剣道の基本を修錬し、技倆優なる者
4.四段は、剣道の基本と応用を修熟し、技倆優良なる者
5.五段は、剣道の基本と応用に錬熟し、技倆秀なる者
6.六段は、剣道の精義に錬達し、技倆優秀なる者
7.七段は、剣道の精義に熟達し、技倆秀逸なる者
8.八段は、剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者

言葉が難しくわかりずらいかもしれませんが、イメージとしては以下のとおりです。

初段~三段  基本を今しっかり学んで、技術もついてきたよね
四段~五段  基本と応用がしっかり身について、技術のレベル高いよね
六段~七段  剣道の本質について修行して、技術も優秀だよね
八段     剣道の一番深いところがわかって、技術も他とは違うよね

ざっくりとこんな感じかと思います。(怒られたらすみません)

昇段審査って??初めて受ける人にもわかりやすく解説

受審資格って?~そもそもいつ受けられるの?~

全日本剣道連盟の「剣道称号・段位規則」には付与基準について以下の通り規定されています。

段位を受審しようとする者は、加盟団体の登録会員であって、次の各号の
条件を満たさなければならない。

1.初段  一級受有者で、中学校2年生以上の者
2.二段  初段受有後1年以上修業した者
3.三段  二段受有後2年以上修業した者
4.四段  三段受有後3年以上修業した者
5.五段  四段受有後4年以上修業した者
6.六段  五段受有後5年以上修業した者
7.七段  六段受有後6年以上修業した者
8.八段  七段受有後10年以上修業し、年齢46歳以上の者

ちなみにすべて最年少で受け続け合格したひとの年齢は以下のとおりになります。

初段  13歳(中学校2年生)
二段  14歳(中学校3年生)
三段  16歳(高校2年生)
四段  19歳(大学2年生)
五段  23歳
六段  28歳
七段  34歳
八段  46歳

大人から始める人もまずは一級審査から受けることになります。

三段くらいまでは「最年少受審者」が圧倒的に多いですが、少なからず大人受審者もいますのでそこは心配しないでください。

審査当日の流れ

五段審査までは、受審する自治体によって異なる場合がありますので私の経験上でお話しします。

昇段審査は以下の3つの審査を1日で実施いたします。
1.実技審査
2.形審査(日本剣道形)
3.筆記試験
実技審査をパスした人が形審査へとすすみそこをパスすると筆記試験に進む、という流れになります。

実技審査~試合みたいだけど試合じゃない~

まず初めに実技審査があります。

立ち合いといって一対一で、30秒~1分の短い対戦を2回実施します。

ここでは詳細を省きますが、「自分がどれくらい基本ができてるかな」「受審する段位の風格に適しているのかな」といったものを審査員の先生に評価していただく、ことが審査です。

相手をひっかけて勝つというよりは、「相手より自分のほうが格上だぞ」というような横綱相撲ができるように稽古することが本質なのかな、と私は思ってます。

形審査~日本剣道形を研究しよう~

実技の審査で受かった人のみ、日本剣道形に進むことができます。
日本剣道形は、段位によって審査する本数が異なります。

「初段」:1~3本目
「二段」:1~5本目
「三段」:1~7本目
「四段以降」:1~7本目+小太刀1~3本目

ここで落ちる人も多くいらっしゃるので、実技の対策と同様にしっかり対策しておきましょう。

筆記試験~最後の関門~

初段から五段までは受審する自治体によって試験の形態はかわりますので、受ける前に必ず確認しましょう。

よくあるパターンとしては以下のとおりとなります。
①会場で実施する短答形式
②会場で実施する論文形式
③事前に提出する論文形式

おそらくこの三つに分かれると思います。

①短答形式

穴埋め問題や記号選択などのよくあるテストです。

30点中20点以上が合格など明確な基準があります。

講習会などで事前にテスト範囲が言われていることが多いためしっかり対策すれば落ちることはないですが、ノー勉で臨むと落ちます。(笑)

②論文形式

家で書くか、会場で書くかに限らわず小論文を書く形式になります。

教本から出題されるパターンや、自分の剣道観を書くパターンがあります。

問われている内容から大きく外れていなければ大丈夫だと思います。

まとめ

〇段位は剣道の熟練度を示す目安。
〇実技審査⇒形審査⇒論文試験の順番で当日実施します。
〇受審する段位にふさわしい剣道ができているかを先生方に見ていただくことが審査です。

編集後記

学生時代は試合を目標において稽古している方が多いですが、大人は「審査」を目標に稽古している方が多いです。

大人によっては試合を目標に技術を高めている人のことを「学生剣道」といってバカにする人もいますが僕個人としてはそこに上も下もないと思います。

本人がどこを目指して稽古をするか、の違いでしかなく「強くなるため」「技術の向上」という意味でのベクトルは一緒ですよね。

いつになく真面目な編集後記になってしまい申し訳ありません。


文・酒田マードック

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